助成金目当ての求人

ちょうどハローワークで見つけた事務の仕事の求人がありました。当時、まだ大学を卒業したばかりで、実務経験が浅かった私はハローワークが勧めている若年者トライアルを詠った求人を中心に面接をうけていました。おそらく、若年者トライアルで求人を出している企業は、実務経験のない私のような者でも入社できると思ったからです。

ハローワークでたまたま見つけたのが、運輸会社の求人でした。面接に出かけると社長さんが奥の部屋で待っていてその日のうちに採用が決定してしまいました。その社長さんが言うには、うちは新しい人を探しているので早く働いてもらいたいということでした。私も早く働きたかったので、その事務所で働くことにしました。でも、ここからが驚きの連続だったのです。

まず、事務所にはじめて出勤した日に伝えられたのは今まで事務を担当していた女性があと一週間で辞めるので一週間で引継ぎを行い、後は私に任せるというものでした。そんなことは求人票に一言も書いておらず私は一週間、必至で引継ぎ作業を教えてもらいました。

それでも一週間で全てが飲み込めるわけもなく前の人が辞めてから、仕事をどうこなしていいのかわからないので周囲の人に聞いてみたのですが忙しい、後にしての一点張りでまったく相手にしてもらえませんでした。その間は時給700円で見習い期間として働くことになっていましたので給与もハローワークに記載されていた月給18万円には遠く及びませんでした。

ある日、社長から役所に提出するための書類が必要になるからこれをまとめておいてくれとポンと100ページほどの書類を渡されてしまいました。そんなことを言われてもそんな書類をまとめたことのない私は他の会社の人に聞きながらその書類を作成し、研修期間にも関わらず夜中の12時まで残業する日が続きました。それでも書類の不備が見つかってしまい、許可が下りなかったのがわかると社長が大激怒しました。こんなこともできないのか、書類をまとめるだけなのに!と叱責されてしまいました。そんなことを言われても周りに教えてくれる人もおらず初めてのことなので私も別会社の人に聞きながら書類を作成するので手一杯だったのですが。

ちょうど、勤めてから2ヶ月過ぎた頃に新しく女性が入社してきました。社長は、その女性に私が任されている仕事を引き継ぐように言いました。その時は何も聞かされていなかったのですが私が働いて一ヶ月も経たないうちにすでにハローワークに求人を出して私に代わる新しい人を探していたようでした。仕事の指示をしていたのですが、その女性も途中から来なくなってしまい。結局、社長に呼ばれた私が告げられたのは「もう、明日から来なくていい。」ということでした。解雇するには一ヶ月前に事前申告しなければいけないのにそれもなく、突然解雇されました。社長によると「うちの会社は即戦力を求めていて、新しい人を教育する暇はない。」ということでした。ではなぜハローワークに若年者トライアルで求人を出していたのか非常に疑問に思ったのですが、若年者トライアル求人で応募してきた人を採用すると政府から助成金が3ヶ月出るということでした。ちょうど私が解雇されたのも三ヶ月目が終わるころでしたので、私の給料よりも多く助成金をもらっていたなら結果的に黒字だということになります。

この一件もあってハローワークの求人は一切信用しなくなりました。若年者を積極的に採用すると求人票に書いておきながら結果的に助成金がもらえる機関だけ最低賃金で雇って使い捨てにする。実際に求人票には書いていませんが、この助成金がほしくて若者を雇用し3ヶ月経ったら解雇するという企業も多いようです。