入会受付業務から受付嬢へ

私は、5年ほどクレジットカードの入会受付をしておりました。仕事内容はクレジットカードの説明をして入会申込書を書いてもらうという単純なもので、ノルマもありません。リーダーは定年前の男性で、あとのスタッフは先輩後輩の上下関係があるだけで、みんな平社員。職場の雰囲気はとてもよく、メンバーと働くことが楽しかったのでずっと続けていました。

しかし、20代後半になり、同期や先輩などが結婚などの理由で退職していくのを見ると、私は彼氏もいないしこのままでいいのかなぁと考えるようになりました。カードの受付は楽しいのですが、正直やりがいはありませんでした。毎日、お客さんに同じ内容を説明してカードに入会してもらうといった仕事が、自分の中でマンネリ化していることに気付いたのです。「今の仕事は何のために続けているんだろう。この先10年、20年続けていても意味がない。それだったら自分がしてみたい仕事をしよう。」と思ったのです。

興味のある仕事に挑戦

いろいろ求人情報をみても、自分に合ったものが分からず、いったい何がしたいんだろうと思う毎日でした。事務の経験もないし、経理も総務もできない。インターネットに詳しいわけでもないので、いざ転職したいと思った時、自分のやっている仕事が潰しのきかないものだということを痛いほど感じました。そんなある日、新しくオープンする商業施設の求人情報を発見しました。そこには店舗のスタッフや警備スタッフの他にインフォメーションカウンターのスタッフ募集と書いてありました。直感で「この仕事をやりたい。」と思いました。

可愛い制服を着て施設の案内をする自分の姿を想像しただけでわくわくしました。案内の業務ならいままでの経験が活かせるし、オープニングスタッフならみんな同期だから、先輩後輩などもなく職場の雰囲気もいいんじゃないかと思ったのです。高校時代の先輩が百貨店のインフォメーションに勤めていましたので、連絡と取り、どんな仕事内容か参考に聞いてみました。店内の店舗はすべて覚えなければならないことや、近隣の道案内があること、忘れ物の問い合わせが多いことなど色々教えてくれました。勤務先は違いますが、ほとんど同じような内容だと聞いたので「これなら私もできる。」と思い、早速履歴書を出しました。

久しぶりの面接は想像以上に緊張しました。カードの受付の仕事の面接以来なので、志望動機を面接官に伝えるのも履歴書を書いたのも5年ぶりでした。面接は、2次で採用となりました。5年も務めた会社を辞めて転職するので、私にとっては一大事。やはり採用通知が来たときはとても嬉しかったです。

職場には、転職する旨を伝えて1か月後に退職しました。退職した次の週からインフォメーションスタッフの研修が始まりました。とにかく覚える事が多すぎて本当に泣きそうでした。店舗の名前を正確に覚えることはもちろん、その他、販売している商品の特徴や他店では取り扱っているものテレビ番組で取り上げられた商品なども詰め込み式で覚えました。また、忘れ物の手続きの仕方や、施設内のルールなどもとても厳しく暗記の毎日が続きました。

しかし、さすがオープニングメンバー。すぐにみんな仲良しになり、辛い研修を皆で乗り切りました。研修が終わって実際現場に立つ頃には、施設の知識や店舗、季節の商品に関することがすべて分かった状態で、まさに何を聞かれてもOKという感じでした。

実際働いて想像と違っていたこと

数か月働いてみて、想像していた仕事内容と違ったことは、人前でニコニコ笑顔で案内するだけの仕事じゃないということです。どこの受付も、スタッフがニコっと笑顔で対応しているのをよく見かけます。問い合わせ内容も施設に関することを受け答えするだけだと思っていましたが、意外とクレーム対応が多いのです。受付は、やはり施設の窓口。苦情受付の窓口でもあるのです。

以前の職場であるカード受付の時にいた上司のような男性社員はいません。すべて私たち女性スタッフが対応しなければいけません。前の職場では、お客さんからの苦情を受けた場合、すべて男性の上司に対応を引き継いでいたので、自分自身が怒鳴られたりすることがほとんどなく、今思えば気楽なものでした。それが、今は違います。自分が対応したお客さんはどんな方であっても最後まで自分が対応するように決まっています。最初は、怒鳴られたり急に怒り出したりするお客さんが怖くて仕方ありませんでしたが、この仕事を続けて3年経った今、どんなクレームでも対応できるようになりました。そして、何でも自分で対応できるようになり、やりがいも感じています。

長く務めた職場を辞めて、新しいことを始める事は勇気がいりましたが、新しい仲間にも出あうことができ、仕事に対してやりがいも生まれました。転職して本当に良かったと思っています。